『世界一美しい本を作る男 -シュタイデルとの旅- (原題:「How to make a book with Steidl」 2010年)』は、個人的にとても好きな映画の中の一つで、企画から編集・装幀・デザイン・印刷・製本・出版までの全ての工程を、外注せずに社内で行う、ドイツの出版社 シュタイデル社を経営するゲルハルト・シュタイデル(Gerhard Steidl)氏の仕事運びや、世界中のクライアントを訪ねる出張に密着したドキュメンタリー映画です。
シュタイデル社の従業員は僅か40数名。でも、妥協のない本作りを追求するその哲学や丁寧な仕事振りが、写真家ロバート・フランクやノーベル文学賞を受賞した作家ギュンター・グラスら多くの芸術家に信頼され、出版の予約が2年先まで埋まっているそうです。
映画のパンフレットには
「日本は、紙や表紙用の布など、世界で最も美しい本の為のマテリアルと技術を有する国です。自動車産業やオーディオだけではありません。色、筆、印刷紙、印刷機など本当にすばらしい技巧の伝統を持っています。この豊かさを日本のみなさんは知っていますか? 私に次の生というものがあるのなら、日本に生まれて、今のような出版社を経営したいというのが私の望みです。」
というシュタイデル氏の言葉が紹介されていて、この言葉は、とても大きな励みとなっています。
▼ 劇中で制作過程が描かれていた Joel Sternfeld: iDubai
映画 『世界一美しい本を作る男〜シュタイデルとの旅〜』公式サイト